EUの感染データよりオミクロン株の特徴が少しずつ判明
世界中で新型コロナウイルスの猛威が続く中、変異株であるオミクロン株の特徴が少しずつ判明してきました。
感染力はデルタ株より強い恐れがある一方、軽症や無症状で済む傾向も指摘される。ただ、新型コロナワクチンを2回接種後に感染したとの報告が相次ぎ、専門家らが分析を急いでいる。
オミクロン株は最初に南アフリカで報告され、世界で感染が急拡大している。同国ではデルタ株からの置き換わりが急速に進み、強い感染力がうかがえる。
重症化リスクは不明だが、軽症で済む傾向を示すデータもある。欧州連合(EU)の欧州疾病予防管理センターによると、EU域内などの感染(3日時点)は16カ国で109件確認され、判明分では全員が軽症か無症状で死者の報告はないという。
厚生労働省によると、成田空港の検疫で感染が確認された2人も、発熱などはあるが軽症とされる。国立感染症研究所の脇田隆字所長は重症化リスクについて「拙速な判断はできない」とくぎを刺すが、別の専門家は「重症化リスクがデルタ株などと同じなら市中感染で広がってもマスク着用や3密回避だけで問題ないかもしれない」と話す。
オミクロン株は、ワクチンを2回接種した後に感染する「ブレークスルー感染」が目立つことも特徴だ。感染研によると、同株はウイルスが細胞に侵入する際に使う表面の突起「スパイクたんぱく質」の変異が約30カ所あり、デルタ株などの10カ所前後を大きく上回る。このためワクチン接種や以前の感染で体内に作られた抗体が、効きにくくなっている恐れもある。
実際、世界ではブレークスルー感染の報告が相次ぐ。日本の感染者2人も米ファイザー製などのワクチンを2回接種していた。脇田所長は「ブレークスルー感染はデルタ株でも起こり得る。ワクチン効果が(デルタ株よりも)下がっているのかは、もう少し状況を見る必要がある」と指摘する。
現在の分析データによると、オミクロン株からの症状は軽傷または無症状だけで死者の報告はないとのことです。
しかしながら、まだ懸念は残されています。
オミクロン株発見よりまだ数日なので、分析データがより明確となるまでは、軽蔑せずに感染予防対策が必要となっています。