中国が日本への渡航を禁止した本当の理由とは?

中国外務省は、高市総理の国会答弁に反発し、対抗措置として自国民に日本への渡航自粛を呼びかけました。

中国外務省は「日本にいる中国人に対する犯罪が多発している」と主張し、「日本の指導者による台湾を巡る露骨な挑発的発言は、中日交流の雰囲気を著しく悪化させ、日本にいる中国人の安全に重大なリスクをもたらしている」としています。

その狙いは日本への経済制裁と指摘されていますが、他にもあります。

中国が日本への渡航を禁止した本当の理由とは?

中国の渡航自粛(ゼロコロナ政策)解除後、経済への不安や政府による統制強化を背景に、富裕層の海外移住が加速しています。2023年には約1万3800人が海外移住し、2024年にはその数をさらに上回る1万5200人の流出が予測されています。移住先としては、日本への関心も高まっており、日本の不動産購入や、円安による不動産や資産の割安感も要因の一つとなっています。

富裕層の海外移住が増加するということは、その資産も海外に流出します。その為、中国政府は富裕層の海外移住と資金流出を制限するため、外貨交換上限の徹底、非正規資金移動の摘発、CRS(共通報告基準)の導入などの規制を強化しています。

日本への移住者が増えるということは、人材と資産が日本に流出することを意味します。それを中国は食い止めたいのです。今回の日本への渡航制限も富裕層の日本への移住を阻止するための対応の一環と考えられます。

もちろん、インバウンド政策を推進している日本への経済制裁の意味もあるでしょうが、こちらは今のところ日本へのダメージにはなっていないようで、むしろ中国人旅行者が減ったことで日本人の国内観光が増えたという声もあります。

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