立民と泉代表、政権交代を目指す姿勢を鮮明に、野党間連携を強調するも…現実は…

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、国会では野党からの追及が行われています。

これを好機に思ったのでしょうか、立憲民主党は、野党間の連携を深め政権交代を目指す姿勢を鮮明に出してきました。

しかし、ふたを開ければ野党間連携は、日本維新の会と国民民主党との溝は深いままで、政権交代においてはこれだけ自民の支持率が落ち込んでも立民の支持率は低迷したままです。

立民と泉代表、政権交代を目指す姿勢を鮮明に、野党間連携を強調するも…現実は…

立憲民主党は、2024年度の活動計画案に「可能な野党間連携を進めつつ、自民党を超える第1党となる議席の確保を全力で追求する」と明記しました。原案段階の「与党の過半数割れを全力で追求する」との表現を強め、政権交代を目指す姿勢を鮮明にしたとのことです。

泉健太代表は21日の記者会見で、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐり「自民党に政権を任せられず、改革は無理ということは明白だ。こういう時こそ野党各党が力を合わせ、国民の期待に応えるべきだ」と述べ、その上で「野党各党が、必ずこの政策をやるというミッションを明確にした政権をつくることを訴えたい。政治資金規正法の改正は、日本維新の会や国民民主党と何らかの協議体をつくり、新しい政権の政策の共通項になる」と述べていました。

野党間の連携については、能登半島地震を巡る被災地支援について、共同提出するなど、国会内では行われています。しかし、選挙における連携は溝が深いままで、国民民主党からは共産党との連携を断つことを要求されていますが、立民はいまだ明確な態度を示していません。

日本維新の会とは相変わらず犬猿の仲のようで、29日におこなわれた衆院予算委員会で、維新の藤田文武幹事長が質問していると、立民議員からヤジられ藤田幹事長が激怒するという場面があったばかりです。とても共闘する雰囲気には見えませんでした。また藤田幹事長も立民との共闘については、昨年10月に『立憲の「与党を倒したい」「野党はできる限り協力したい」というスタンスは理解しているが、丁寧にお断りしている』と、明確に断ったことを明かしています。

国民と維新との連携についての立民と泉代表の考えは、単なる願望でしかありません。

政権交代についても自民党の不祥事が発覚し、自民の信頼は失墜しつつあります。この様な時は野党第一党の支持率が上昇するはずですが、その気配すらありません。NHKが1月15日に更新した政党支持率調査では、「自民党」が30.9%(「岸田内閣」26%)、「立憲民主党」が5.3%、でした。いまだに自民との差は大きく開いています。因みに、民主党政権誕生時には自民よりも支持率は上回っていました。政権交代と支持率は密接に関係しているのは言うまでもありません。このことを追及しない限りは到底政権交代は実現しないでしょう。

国民からすると、自民を批判する姿ばかりがクローズアップされて、立民の具体的な政策などが見えてきていません。また、自民と何が違うのかも不明です。政治資金問題においては、自民を追及する一方で、立民議員の不祥事も発覚しています。

新たな不祥事も発覚しています。29日に毎日新聞が『公設秘書552人の存在公表せず 与野党で国会ルールの違反横行』を報じましたが、『議員側は公設秘書を雇う際、秘書名や採用日、勤務地などを示す文書を国会に届け出ることが義務付けられているが、提出を怠っていた。これらの秘書を雇用していた議員は衆参両院で273人に上り、岸田内閣の閣僚や野党代表も含まれている。』とあり、別の報道では『政党別では自民党国会議員が160人、立憲民主党69人、日本維新の会18人などとなっています。自民党では盛山正仁文科相ら閣僚6人が、立憲民主党では泉健太代表らが提出していませんでした』とありました。

自民のルール破りを非難しながら、立民代表自身がルール破りをしていては、国民の信など得られるはずもありません。

孫氏の兵法書に「彼を知り己を知れば百戦殆からず」という一節がありますが、自身のことをもっと追求しなければ、いくらやっても選挙で勝てないでしょう。

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