医療機関や薬局で使う処方箋をデジタル化し、マイナンバーカードの利用幅を拡大
政府は、マイナンバーカードの普及やシステム整備を活用し、医療機関や薬局で使う処方箋をデジタル化した「電子処方箋」の運用が1月末より開始され、マイナンバーの利用幅を広げています。
厚生労働省は2024年度から、都道府県が一般市民向けにウェブサイトで提供している医療機関の情報について、「不妊治療」や「電子処方箋」などの項目を追加する。受診先を選ぶ際に活用してもらう狙いがある。
全ての医療機関は、医療法に基づき、都道府県に対し、診療科や診療時間、専門医の人数、院内感染対策などの機能を報告することが義務づけられている。一方、都道府県は報告された情報を集約・整理して公表している。
新たに追加するのは、不妊治療の実施や、医師と薬剤師がオンラインで処方内容をやり取りする「電子処方箋」の発行のほか、マイナンバーカードを使った「マイナ保険証」による診療履歴の活用の有無、管理栄養士の配置、医療事故調査制度に関する研修の受講実績など。24年度中には、様々な病気に対応したり休日・夜間も診療したりする「かかりつけ医機能」についても閲覧できるようにする。
厚労省は各都道府県の情報を集約し、24年4月に全国の医療機関を一括して検索できるサイトを開設する準備も進めている。該当する医療機関が一覧と地図で表示される仕組みだ。
処方箋では、医師が患者の病気を考慮して、薬の種類や使い方などを記した書類のことであり、これを電子化することで、患者の同意があれば、複数の医療機関や薬局をまたがる過去の薬情報を、医師や薬剤師と共有することができ、同じ成分の薬の入手や悪化する薬の飲み合わせを防ぐことが可能となります。
その上で電子処方箋は、対応している医療機関や薬局であれば誰でも選ぶことが可能であり、紙の処方箋を持たずに薬局での薬の受取が可能、マイナンバーカードに保険証の機能を持たせたマイナ保険証を使えば、管理サーバーに記録された過去の薬の処方歴を照会できることなどメリットが大きくなります。