厚生労働省、サル痘の名称についてエムポックスに変更する方針
厚生労働省は、天然痘に似た感染症のサル痘の名称について、エムポックスに変更する方針を決め、世界保健機関が名称を変更したことに伴う対応であり、今後、必要な手続きを進めて、政令を改正する予定です。
欧米を中心に感染が拡大した感染症の「サル痘」について、厚生労働省の専門部会は、名称を「エムポックス」に変更する方針を決めました。
「サル痘」は去年、欧米などを中心に感染が拡大したウイルス性の感染症です。サルからウイルスが発見されたことから、英語で「monkeypox」、日本では「サル痘」との名称が使われてきました。
しかし、WHO=世界保健機関は去年11月、動物への偏見や、差別的な表現に使われていることなどから、新たに「mpox」という名称を使うよう推奨しました。
厚労省の専門部会でも議論が行われ、きょう、サル痘の名称をカタカナ表記で「エムポックス」に変更する方向でおおむね了承されました。
部会では名称を「M痘」とする案も上がりましたが、現在流行している「サル痘」は発疹が体の一部に限定されることが多く、「全身に発疹が出る天然痘などのイメージが強い『痘』という言葉は使わない方が良いのではないか」といった意見が上がったということです。
厚労省は今後、一般からの意見を募集したうえで、正式に新たな名称を決めることにしています。
サル痘の名称をめぐっては、世界保健機関が特定の動物への誤解を招くとして、「mpox」と呼ぶよう推奨していたことから、「エムポックス」に賛成する考えが多く、全身に発疹の出るイメージを持つ意味として、痘は使わない方向性として意見が相次ぎました。
またサル痘の感染予防として、感染者及び有症状者の飛沫や体液等との接触を避け、石鹸やアルコール消毒剤を使用した手指消毒の徹底、流行地ではウイルスを保有する可能性のあるリス・ネズミ・ヤマアラシ等との接触を避けることを呼び掛けています。