支持も批判も曖昧な尹政権の真意とは
韓国の尹錫悦政権は、日本政府が閣議決定した「安保3文書」について、明確な支持や批判を避ける曖昧な立場に終始しています。
尹大統領は、北朝鮮の脅威に対する日米韓安全保障協力の強化を訴えてきたが、朝鮮半島有事に自衛隊が介入することへの拒否感が根深い国内世論を考慮した様子です。
「朝鮮半島の安保や国益に重大な影響を及ぼす事案は、事前にわが国との緊密な協議と同意が不可欠だ」
韓国外務省当局者は16日、日本が北朝鮮など朝鮮半島に反撃能力を行使する場合に関し、こう念を押した。国家安保戦略に韓国が不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)領有権が記載されたことには抗議した。
一方で、韓国を日本の安保にとって「極めて重要な隣国」と位置づけた改定に関し、尹政権発足後、「肯定的な流れが続いている両国関係が反映された」と好意的に評価しつつも、日本の防衛力強化そのものへの賛否を明確にしなかった。
日本政府側は海外メディア向けの説明で、反撃能力の行使について「他国の承認を得るものではなく、日本が自主的に判断する」と答えています。
北朝鮮のミサイル発射などへの反撃は切迫した事態に限られ、韓国との事前協議は現実的ではないとしています。