厚生労働省、アストラゼネカのコロナ予防薬の確保を検討
イギリスの製薬大手アストラゼネカは、新型コロナの発症を抑える抗体カクテル療法について、厚生労働省に承認申請しました。
後藤茂之厚生労働相は10日の閣議後会見で、英アストラゼネカ社が開発した新型コロナウイルス感染症の予防にも使える治療薬について、「確保について検討していく」と明らかにした。アストラ社と協議を始めているという。
この薬は9日、アストラ社が国内での製造販売の承認を求めて厚労省に申請している。「チキサゲビマブ」と「シルガビマブ」という2種類の抗体薬を筋肉内に注射して投与する「抗体カクテル療法」で、英国などではすでに使われている。今後は医薬品医療機器総合機構(PMDA)が有効性や安全性を審査する。
アストラ社によると、臨床試験では、新型コロナウイルスにさらされる前の人に投与すると、偽薬を投与した人と比べて発症リスクが77%低下。効果は半年続いたという。オミクロン株への有効性も確認している。
ワクチンを接種しても効果が十分に得られない人などが対象であり、承認されれば予防のための抗体薬は国内で初めてとなります。抗体カクテル療法は、2種類の抗体薬を順に投与するもので、感染した人の治療のほか、予防にも使うことができるということです。
試験では、ウイルスにさらされる前にこの薬を投与したグループは偽薬のグループより新型コロナを発症するリスクがおよそ8割減少したということもあり、期待の声が上がっています。