「出前」を止めたRedTail 暗号資産市場で暗躍
RedTailの目的は、機密情報や個人情報ではなくコンピューターのリソースです。
暗号資産市場の裏で暗躍するマルウエアの被害がサービス停止という実害として顕在化した例は珍しいといいます。
ビットコインに代表される暗号資産は、世界中の有志による取引情報の計算によって成り立ちます。
計算をいち早く終えた協力者には、報酬としてその暗号資産が付与される仕組みで、計算は鉱物を掘り出す工程になぞらえ「マイニング(採掘)」と呼ばれています。
計算のスピード競争に勝ち抜き、報酬を手にするには高い能力のコンピューターが必要となり、第三者のネットワークに侵入してコンピューターに居座り、計算を肩代わりするマルウエアは、ビットコインが注目を浴び始めた15年ほど前に出現しました。
出前館をサービス停止に追い込んだRedTailは、暗号資産「モネロ」のマイニングを行います。
セキュリティー会社「トレンドマイクロ」の調査によれば、日本では春頃から感染が報告されるようになりました。
こうした不正なコインマイナー(マイニングをするプログラム)は被害の全貌がつかみにくい特性を持っています。