アスパルテームで肥満や糖尿病など生活習慣病を予防
厚生労働省では、虫歯予防を目的としてアスパルテームを砂糖の代替甘味料として使用することを推奨しており、肥満や糖尿病など生活習慣病の予防や改善に役立つと期待されています。
■アスパルテームとは?
アスパルテームは、人工甘味料の一つで、アスパラギン酸とフェニルアラニンの2つのアミノ酸を結合させて作られています。もともとアスパラギン酸にもフェニルアラニンにも甘みはありませんが、この2つを結合させると強い甘みを持つアスパルテームになります。
アスパルテームのカロリーは砂糖と同じで1gあたり4kcalですが、砂糖の200倍以上もの甘さがあります。
砂糖に近くすっきりとした甘みが特徴で、「ゼロカロリー」「カロリーオフ」などの清涼飲料水、サワーや酎ハイ、ガム、アイスクリーム、ゼリー、ヨーグルト、甘味菓子、朝食用シリアルなどに使われています。
また、飲料や食品以外にも、歯磨き粉、医薬品のチュアブル錠(水なしで飲める薬)、ビタミン剤、咳止めの薬など、成分の苦みをマスキングするために使用されていることは、あまり知られていないかもしれません。
なお、現在、アスパルテームは、アメリカ、カナダ、イギリスをはじめ世界125カ国以上で、低カロリー甘味料として6,000種類以上の製品に使用されています。■アスパルテームの安全性は?
アスパルテームは、人工甘味料の“人工”という言葉から、体に悪いのでは? と心配する声も聞かれます。また、国際がん研究機関(IARC)は、アスパルテームに「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」との見解を示し、安全性についての議論は絶ちません。
しかし、食品原料の使用を許可するには、厳しい安全性の審査が行われます。実験は動物実験によって、健康に害がなく安全である1日の摂取量を求め、さらにその1/100の量を「一日摂取許容量(ADI)」(※)として定めています。
また、実験では、発がん性や次世代への影響などさまざまな観点から安全性をチェックしています。アスパルテームも、実験と検証を重ね1983年8月に厚生労働省から食品添加物に指定され、使用が認可されています。
アスパルテームは糖尿病患者にとっても選択肢となる甘味料と考えられ、糖尿病の管理において、血糖値の上昇を抑えながら甘さを楽しむことができるため、血糖コントロールが求められる状況で有用です。
またアスパルテームは、肥満や糖尿病など生活習慣病に役立つ可能性があることから、低カロリー製品の需要の高まりとともに、今後も消費は拡大していくと考えられます。