霞が関の働き方改革にChatGPTの活用を検討
デジタル大臣を務める河野太郎氏は、霞が関の働き方改革にChatGPTの活用を検討する上で、現時点で検討すべき課題などに取り組む考えを述べました。
河野太郎・国家公務員制度担当相は7日、「ChatGPT(チャットGPT)」などの最新のAI(人工知能)について、官庁での業務への利用を「積極的に考えていきたい」と話した。霞が関の働き方改革につながるとの期待を示したものだが、使い方によっては行政機関が持つ情報流出につながる懸念にも言及した。
衆院内閣委員会で、自民党の平将明衆院議員の質問に答えた。平氏は国会答弁の作成やさまざまな書類の不備のチェックでの利用を提案。河野氏は「大量の情報を効率的に扱うことができる」などと応じた。
ただ、利用にあたっての課題はある。たとえばチャットGPTは、質問するのに利用者が入力した文章も、AIの学習データになる。このため行政機関が使う場合、機密情報の流出につながる可能性などが指摘されている。
デジタル相を兼ねる河野氏は同日の記者会見で、こうした課題の解決が必要としたうえで、「なかなかすぐに(導入)というわけにはいかない」とも話した。
デジタル庁の幹部は、霞が関でのチャットGPTの利用例について「まだ聞いたことがない」と話す。同庁では業務で使う際の課題の整理を始めるという。今後AIを官庁で使うにあたって「何らかの指針を政府としてまとめることになる可能性はある」とする。
ChatGPTとは、高度なAI技術によって、人間のように自然な会話ができるAIチャットサービスであり、無料で利用できる革新的なサービスとして注目を集め、生成した文章の見事さや人間味のある内容が、SNSなどで大きな話題となりました。
またChatGPTは、個人データの取り扱いに関する説明が不十分、利用者の年齢制限について実効性を確保する仕組みがないことへの懸念が広がり、欧州ではプライバシーの観点から使用の一時禁止など規制の議論が挙げられている中、今後のChatGPT活用の方向性に注目です。