厚生労働省、出産育児一時金を75歳以上の高齢者に一部負担する考え
政府が取り組む、総合経済対策のひとつである、子どもを出産した時に支給される出産育児一時金の大幅な増額について、厚生労働省は、75歳以上の高齢者にも一時金を負担してもらう案を示しました。
来年度に増額する方針が示されている出産育児一時金について、厚生労働省は、75歳以上の高齢者に一時金の7%分を新たに負担してもらう方針を決め、11日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)に提案した。来年の通常国会で法改正をめざし、2024年4月から医療保険料に上乗せする考えだ。
出産育児一時金は、主に公的医療保険の保険料をもとに、原則42万円(産科医療補償制度掛け金の1万2千円を除くと40万8千円)が支給される。現役世代が費用を負担しあう一方で、現行の仕組みでは75歳以上の後期高齢者には保険料による負担はなかった。
今回示された案では、75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度から一時金の7%分を拠出する仕組みを導入する。後期高齢者医療の保険料改定がある24年4月から実施する。一方、出産育児一時金を増額する時期は23年4月からとする方針も明らかにした。
政府は、出産にかかる費用をめぐって、子ども1人の出産につき原則42万円を支給する考えであり、来年度から引き上げる方針を示す中、厚生労働省は引き上げに伴う財源を確保するために、現在、一時金の負担をしていない75歳以上の高齢者を対象に一部を負担をしてもらう案を示しました。
また妊婦が出産施設を選びやすくするために、病院やクリニックごとの出産費用をホームページで公開する考えであり、病院ごとに異なる出産費用に対して、経済的負担を考えやすくするため、病院を選ぶ際の参考としてもらう狙いであります。