幼保無償化の対象となった保護者の約8割が経済的な負担を減少
2019年10月から始まった幼児教育・保育の無償化により、保護者の経済的な負担が減少した一方、新型コロナウイルス感染症の影響から少子化が進み、子育て支援を必要とされています。
日本総合研究所が2022年3月に公表した調査結果によると、幼保無償化の対象となった保護者の約8割が経済的な負担が減ったと答えていて、無償化によって早期に保育園や幼稚園に通わせると答えた保護者も約2割いました。一方、保育園や幼稚園などの施設側も7割ほどが保護者の負担軽減につながったことを認識していて、4割ほどが制度を肯定的にとらえています。
一方、0歳~2歳児に関しては多くの家庭が無償化とはならず、家庭で子育てをしているところが多いです。妊娠・出産・育児に関するサイトを運営する株式会社ベビーカレンダーが2021年9月に公表した調査結果によると、子育てに孤独を感じたことがある母親は全体の6割にのぼり、「孤独を感じる」と考えている母親のうち、新型コロナウイルス感染症の流行前と比べて、子育てに孤独を感じるようになった母親は7割以上となりました。
調査からは、新型コロナウイルス感染症の影響で家族の在宅時間が増えたことで、収入は減る一方、家事の負担が増え、自由時間が減ったと考えていることが浮き彫りになってきました。3歳~5歳児の保育料の負担は減っているものの、0歳~2歳児を育てる保護者の孤立防止が課題となっていることがわかります。
政府は低所得の子育て世帯に対する、世帯生活支援特別給付金に取り組み、その他にも、生活費の貸し付けを受けられる緊急小口資金や総合支援資金、住む場所に困っている場合に住宅を確保できるセーフティネット住宅などの支援を実施しています。
新型コロナウイルスの影響により、子育て世帯は、大きな打撃を受けている家庭も多くあり、政府はこの問題から解決すべく、こども家庭庁の設置を考え、子育て世代の心も身体も健康を維持できるような環境を目指しています。