日本の年金制度における賦課方式と積立方式のそれぞれのメリット
日本での年金制度は、賦課方式が採用されていましたが、年金制度自体は、積立方式によって成立させている中、政府の方針として賦課方式を選択しています。
賦課方式と積立方式の違い
古くから日本で採用されている年金の賦課方式は、若い世代が納めた年金をそのまま高齢者に支給される分にあてる仕組みです。そして、年金を納めている若い世代が将来高齢者になって、年金を受け取れるようになったら、より下の若い世代が納める年金から支給されるという形になります。それに対して積立方式は、貯金に近い形です。自分で収めた額を、高齢者になったら受け取ることができます。年金としてお金を納めはするものの、そのお金は将来の自分のためのものです。
年金機構を運用させるために、納めたお金は投資などに用いられることはありますが、将来的に受け取れる額は保証されます。したがって、賦課方式と積立方式の大きな違いは、納めたお金を現在の高齢者に支給されるか、それとも将来の自分に支給されるかです。
積立方式のメリットは、過去に自分が納めた分を受け取る形であり、たとえ少子高齢化が進み続けても、安定した額を受け取れる可能性が高いです。
一方、デメリットは円相場の影響を受けてしまう点が挙げられ、円の価値上昇も考えられる分、インフレによって円の価値が下がる可能性もあります。
このように賦課方式と積立方式は、どちらにもメリットとデメリットがあり、年金制度が成り立っています。