沖縄県議会で知事派、中谷防衛相「妨害遺憾」発言の撤回・謝罪求める意見書案提出も否決です

『日米共同大規模実動演習の一環の訓練が一部市民団体に妨害され中止に追い込まれた問題を巡り、中谷元・防衛相が9月の閣議後会見で「自衛隊への過度な抗議、妨害行為が続いており、大変遺憾だ」と発言したことを受け、沖縄県の玉城デニー知事を支持する県政与党会派は9日の県議会本会議で、発言の撤回と謝罪を求める意見書を提案した。ただ、採決では賛成少数となり、意見書案は否決された』と報じられました。

意見書案では「戦前、政府が情報や言論の統制を行ったことは忘れてはならない」と指摘されていました。中谷大臣の発言について「県民の声や思いの表れである抗議活動などを『妨害行動』と断定したことは、文民統制を揺るがし、国民の表現の自由を侵害し、県民を萎縮させる恫喝（どうかつ）的な圧力と断じざるを得ない」などとしていましたが、県政野党の下地康教県議（自民党）は意見書案の反対の立場で討論に臨み、「（中谷氏の発言が）恫喝的な圧力にあたらないことは明白だ。抗議活動と妨害活動には大きな違いがある」と主張しました。一方、県政与党の当山勝利県議（沖縄社会大衆党）は賛成の立場で「防衛省を代表する防衛大臣が表現の自由を否定するような発言をした。許されざる発言だ」と訴えました。

デモなどの抗議活動は言論の自由の観点から認められていますが、妨害行為はあってはいけないと思います。ましてや今回は妨害行為により演習中止となってしまいました。県の事業が妨害行為により中止になり、玉城知事が非難声明を出しても沖縄県議会与党は同じことを言えるのでしょうか。