大企業の間で初任給引き上げが相次いでいます。正社員の給料を追い抜く逆転現象が懸念される中、大和ハウスが正社員もベースアップで対応です
大手企業の間で、新入社員の初任給を引き上げる動きが相次いでいます。
初任給が30万円台を超す企業が増えて、人手不足の深刻化で新卒採用は売り手市場となっており、大手企業による人材獲得競争が激しさを増しているとのことです。
しかし、初任給を引き上げると、既存社員の給与と逆転して新入社員の給与の方が高くなる「逆転現象」が起こることがあります。この現象は、既存社員のモチベーション低下や早期離職につながる可能性があります。
そんな中、『大和ハウス工業は20日、4月から新卒の初任給を一律で10万円引き上げ、大卒は35万円にすると発表した。現行から38~43%増となる。正社員の給与水準も見直し、年収ベースで平均10%上げる』との報道がありました。
『初任給は院卒を36万2千円に、高専卒・専門学校卒・短大卒は33万2千円にする。給与水準の改定は正社員約1万6千人が対象。これまで平均4.9カ月分だった賞与を3.7カ月分程度とする代わりに、平均23.5%のベースアップを実施する』とのことです。
大和ハウスは初任給だけでなく、正社員のベースアップを実施することで、逆転現象を抑え、モチベーションを保つ対策を取りました。
各企業にこういった対応が広がれば、国が目指す賃上げがより早く実現します。残る問題は中小企業です。大企業ほど体力のない中小企業が賃上げにおいて取り残されることがあってはなりません。