川勝知事を支える「ふじのくに県民クラブ」の県議が会派離脱を表明。これにより不信任決議案で単独での否決ライン維持が不可能に
静岡県の川勝平太知事にピンチが訪れました。
昨年7月の不信任決議では、川勝知事に近い「ふじのくに県民クラブ」が全員反対に回ったおかげで、僅か1票差で否決されましたが、昨年9月に同会派の県議が辞職したことに続いて、新たに1名の県議が会派離脱の意向を示しました。
これにより、川勝知事への不信任決議案が出された場合、「ふじのくに県民クラブ」で否決ラインを単独で維持することが不可能となりました。
川勝知事を支える「ふじのくに県民クラブ」の県議が会派離脱を表明
20日、静岡朝日テレビが『静岡県議会の第2会派で、川勝平太知事に近いとされるふじのくに県民クラブ。所属議員の1人が会派を離脱する意向を示したことで、川勝知事と県議会との緊張感が高まる可能性が出ています』と報じました。
離脱の意向を示したのは「ふじのくに県民クラブ」の大石哲司県議です。大石氏は取材に対し『今後、解散総選挙という流れが見込まれる。そうすると同じ会派にいる以上、同じ動きをした方がいいと思うが、そうはいかない』と会派離脱の理由を説明したうえで、今後の川勝知事との関係については、『たしなめることはするかもしれないが、知事を突き上げる側にはいかない。自民から声掛けはない。今後あったとしても入るつもりはない』と話したといいます。
言い換えれば「ふじのくに県民クラブ」と同じ動きはもうできないということです。
これを受け、静岡朝日テレビは『大石議員の会派離脱によって、緊張状態となるのが川勝知事です』と指摘しています。
それもそのはずです。
昨年7月の川勝知事の不信任決議案では、僅か1票差で否決されました。しかし、その後、「ふじのくに県民クラブ」の中山真珠氏が無免許運転をしていた問題で、9月に辞職しています。今回の大石氏の離脱は「ふじのくに県民クラブ」に追い打ちをかけるものです。
『大石議員の会派離脱によって、ふじのくに県民クラブの所属議員は16人となり、川勝知事への不信任決議案が出された場合の否決ラインとなる17議席を、単独では維持できなくなるのです。』と指摘されています。
大石氏は「ふじのくに県民クラブと同じ動きはもうできない」と言いながらも「知事を突き上げる側にはいかない」と、微妙な立ち位置を取るようです。不信任決議案が出されれば、大石氏に川勝知事の命運がかかっているも同然です。当然両陣営からの働きかけもあるでしょう。気が気でないのは川勝知事です。しかし、川勝知事を心から信任していれば会派離脱はないと思います。川勝知事から心が離れたから、大石氏は離脱したと考えます。だとしたら、最近、知事の不適切発言も連日報じられているので、今こそ川勝知事の不信任決議案を提出する時ではないでしょうか。