トップ間で隔たり。ボーリング調査を進めたい大井川流域市町とJR東海。慎重姿勢を崩さない川勝知事。

リニア新幹線の工事のボーリング調査を巡り、大井川流域市町、JR東海と川勝平太知事の間で隔たりが発生しています。

大井川流域市町とJR東海はボーリング調査を進めたい考えですが、川勝知事はモニタリングの態勢を整えてからと慎重姿勢を崩しません。

ボーリング調査を進めたい大井川流域市町とJR東海。慎重姿勢を崩さない川勝知事。

リニア新幹線の工事をめぐり、25日、大井川流域の市町がJR東海との意見交換会で、ボーリング調査を早く着実に進めるよう求めました。

島田市の染谷絹代市長は『モニタリングや、高速長尺先進ボーリングについてです。流域はどちらも早く着実に進めてもらいたい』と要望を述べ、それに対し、JR東海の丹羽俊介社長は『静岡県内のボーリング調査、これを早く、着実に実施して、その結果について知らせてほしい、こういった、ご意見を頂戴いたしましたため、しっかりと進めてまいりたいと思います』と述べました。

流域市町とJR東海は歩み寄りを見せるなか、静岡県の川勝平太知事は『まずはモニタリングをしっかりするということが次の話になるかと思いますね。そういう体制をしっかりすることが大事になる』と慎重姿勢を崩しません。

川勝知事は、国土交通省が発足させる第三者委員会の結論が出てからとの見解を示しています。

モニタリングの委員会でボーリング調査はすべきだ、問題ないとなった際には『国家としてそれを安全であると、合理的であると判断されるということであれば』県としてボーリング調査を認めるとのことです。

意見交換会では、大井川流域の市町のトップは、『田代ダムが関連施設の工事で2025年11月まで取水をせず一時的に水が増えるため、「この期間にボーリング調査で流出した水が増えた量を下回れば水を戻さなくていい」とJR東海に伝えました』とのことです。

これで解るように、ボーリング調査をしてみないと、実際に水位が下がるのか、どれくらい下がるのかのモニタリングすらできません。どのような工法で進めるかの計画すらできないのです。もちろん、第三者委員会の結論すら出せません。それをモニタリングが先だというのは、工事の邪魔をしているとしか思えないのです。

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