新型コロナウイルス、オミクロン株であるEG.5への懸念点
世界保健機関は、アメリカなどで感染者が増えている新型コロナウイルスのオミクロン株の派生型EG.5について、公衆衛生への影響が見込まれる注目すべき変異株として見込まれ、今後の対策が必要となりました。
■新たな変異株EG.5、WHOが「注目すべき変異株」に指定
WHO(世界保健機関)は2023年8月9日に、EG.5を「注目すべき変異株」に指定しました。WHOによるとEG.5は現時点で主流のXBB系統株と同様に、免疫回避能や感染力は中等度であり、重症化リスクは低いとされています。新型コロナウイルスの流行株は、XBB系統から派生したEG.5に置き換わりが進んでいます(イラスト1)。東京都保健医療局によると、都内の新規感染者におけるEG.5の割合は20%を占め、XBB.1.16の28%に次いで2番目の流行株になっています(グラフ2)。一方、CDC(疾病予防管理センター)は、EG.5が米国における新規感染者の20.6%を占めXBB系統に代わって主流となったと発表しています。
■体調不良を自覚した時には
オミクロン株では従来株(武漢株やデルタ株など)に比較的多くみられた味覚障害・嗅覚障害は少なく、通常の風邪のような喉の痛みが多いと報告されています。EG.5はオミクロン株から派生していることもあり、これまでのオミクロン株に比べて症状について大きな変化はないと考えられています。
症状のみで医師が新型コロナウイルス感染症と診断することは困難です。体調不良があった場合、その原因が新型コロナウイルスとは限りません。
WHOは、EG.5に対して、重症化リスクは低いと考えられる一方、比較的高い感染力と免疫を回避する特性があることから、今後、感染拡大につながる可能性があると、リスク評価をしています。
新型コロナウイルスへの意識は、国民一人ひとりが感染対策への意識を引き続き、行う必要があります。