熱中症対策に水分の過剰摂取は、水中毒に注意
暑い日が続き、こまめな水分補給が大切となってきますが、その中で注意しないといけないのが、水中毒であり、水の過剰摂取から体内のナトリウム濃度が異常に低下する状態となります。
水分だけの補給では「水中毒」になる可能性も
熱中症予防に水分だけではなく、塩分補給も必要です。
汗などで塩分が失われたまま水分だけを補給すると、体調を崩すことも…。
「水分を異常に飲んでしまうと、体内のナトリウム濃度が下がって起こるのが水中毒。水分を入れてもナトリウムが入っていなくて体の中に水分だけが入り、どんどんのどが渇く…、水だけを飲んでしまう。水だけを飲むと体内の塩分濃度が薄くなって具合が悪くなる人も」(総合大雄会病院 北原医師)
目安として短時間に1リットル以上の水を飲んだ場合、「水中毒」と呼ばれる症状になるといいます。
「1日大体コップ1杯の水を6~8回くらい飲んでもらう。ただし、飲んですぐ体の中に吸収されるというわけではない。口から腸に吸収されるまで大体20~30分かかる。のどが渇くと思う前に飲むことが正しい飲み方」(総合大雄会病院 北原医師)
水中毒の症状は軽度から重篤なものまで幅広く、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、けいれん、意識障害、さらには命にかかわる状態まで進行することがあります。
治療では、症状の重症度によって異なりますが、軽度の場合はナトリウム摂取量を調整し、適切な水分補給を行い、重篤な場合は、専門医の指導の下で点滴によるナトリウムの補充が行われることもあります。
水中毒を予防するためには、適切な水分摂取量の理解と、特に過度な運動や競技の場合は塩分の摂取を意識することが大切です。