労使トップ会談、賃上げ幅で隔たりや激しい交渉
令和5年春闘は23日の労使トップ会談で、長期にわたるデフレマインドから脱却して「賃金と物価の好循環」への転換点にするという考えを共有し、事実上のスタートを切りました。
ただ賃金の引き上げ幅は5%程度を求める連合に対し、経団連は過去約10年の結果との乖離(かいり)が大きいとして慎重な姿勢だ。「同床異夢」を包み込むかのような協調姿勢とは裏腹に、今後本格化する労使交渉は激しい対立も予想される。
「連合側と目指す方向と政策手段がこれほど一致したのは珍しく(5年春闘を)デフレマインド払拭の起点にしようと確認した」
会談後、報道陣の取材に経団連の十倉雅和会長はこう述べた上で「社会の閉塞(へいそく)感に対して共闘していく」と強調。連合の芳野友子会長も「人への投資や継続的な賃上げの必要性で一致したので、経営者の皆さんに期待したい」と応じた。
労使、賃上げ幅で隔たり 激しい交渉も
今回の春闘は賃上げの幅が最大の焦点となります。
岸田文雄首相は「物価高を上回る賃上げ」を経済界に強く要請しています。
日本銀行は4年度の消費者物価上昇率を3・0%と予想しており、妥結水準次第では首相が訴える「成長と分配の好循環」は軌道に乗り損ねかねない状況となっています。