「生活保護窓口「国に帰ればいい」 日系ブラジル人が救済申し立てへ」 生活保護を受けられる資格を有しているか否かも報じるべきではないでしょうか
愛知県安城市役所で、生活保護の申請をした日系ブラジル人の女性が職員から「ブラジルに帰ればいい」などの暴言を繰り返し受けたとして弁護士会に人権救済を申し立てる方針を示したと共同通信が伝えました。
女性は現在無職で1歳と小学生の子どもを抱えて生活に困窮しており、「外国人への差別意識を強く感じショックを受けた」と訴えているそうです。
愛知県安城市役所の生活保護の申請窓口で11月、職員から「ブラジルに帰ればいい」などの暴言を繰り返し受けたとして、日系ブラジル人の女性(41)が近く、同県弁護士会に人権救済を申し立てる方針であることが22日、分かった。女性は現在無職で1歳と小学生の子どもを抱えて生活に困窮しており、「外国人への差別意識を強く感じショックを受けた」と訴えている。
女性は11月1日、生活保護を申請しようと窓口を訪れたが、担当の女性職員から「入管に行って」などと言われ、帰宅を促された。同22日、再び窓口に行ったが、職員の男女2人から「早くブラジルに帰ればいい」などと言われた。
この記事では、女性が永住者などの在留資格を有しているかわかりませんが、「入管に行って」などと言われたということは、有していない可能性もあります。
生活保護を受ける外国人に求められる在留資格について、わかりやすく解説されたものがあったので紹介します。
日本で生活保護を受けることができる外国人の在留資格は「特定活動」にあたる永住者です。
定住者や永住者、日本人や永住者の配偶者、難民認定された人がそれにあたります。一方で就労目的の在留資格の場合、生活保護を受給することはできません。
永住者には関係ありませんが、その他の在留資格で生活保護を受けている状態が長く続いた場合、更新時に影響が出る可能性も考えられます。
役所側の口調は少し酷いように誇張されている可能性もありますが、内容としては上記条件に当てはまっていないというのなら正当と言えるでしょう。ただし、生活保護を受けられる資格を有しているのも関わらず、市役所がこのような対応をしていたというのなら問題です。
報道する側も、そこの重要な部分を記しておかないと、読み手側は勝手な憶測で女性や役所を非難する方向に向いてしまうと思います。