厚生労働省、新型コロナウイルス感染症の飲み薬を緊急承認
厚生労働省は、新型コロナウイルス対策として、塩野義製薬が開発中の新型コロナウイルス感染症の飲み薬について、緊急承認の可否が審議され、今回は新たな治験のデータの評価が焦点となります。
「ゾコーバ(一般名・エンシトレルビル)」は承認されれば、抗ウイルス薬としては初の国産の飲み薬となる。重症化リスクのない軽症や中等症の患者への使用を想定する。1日1回、5日間服用する。
緊急承認は、安全性はこれまでどおり確認するが、有効性は「推定」できればよい。小規模なデータで申請できる。だが7月の審議で「大規模な治験結果を待つべきだ」などとして継続審議となった。
約400人を対象とした治験では、ウイルス量を減らしたが、疲労感や発熱など12症状の総合的な改善効果は不明瞭。治験開始前に設定した条件を変えて分析する「事後解析」のデータをもとに、「一部の症状に絞れば効果がみられた」との主張もあったが、事後解析のデータは信頼度は低くなるとされ、委員から「あくまで後付け」「御法度」などと厳しい声もあがった。
このため、塩野義は評価項目を効果が見えやすい発熱や鼻水など5症状の改善効果に設定し直し、治験を継続。9月、約1800人を対象とした結果、服薬していない人に比べ、5症状の消失を約24時間短くする効果があったと報告した。
緊急承認制度は、安全性が確認され、有効性が推定された場合に緊急承認する制度であり、その中でゾコーバは、ウイルスの増殖を妨げる働きがあり、軽症や中等症の患者を対象として想定しています。
政府は、新型コロナウイルス第8波を冬の感染拡大注意報として、年明けにピークを迎えると予想され、注意報である忘年会や年末年始の帰省での感染対策の徹底とともに、接種率が低い若い世代へのワクチン接種を特に呼びかけています。