出産育児一時金を来年度から引き上げ、出産の臨時支給に取り組む方針
政府は、出産にかかる費用をめぐり、子ども1人の出産につき原則42万円を支給する「出産育児一時金」を来年度から引き上げるなど、出産準備金の臨時支給の方針を示しています。
厚生労働省は2021年度に公的な病院で出産にかかった費用が、全国平均で45万4千円余りだったと公表しました。
出産にかかる費用をめぐり、政府は子ども1人の出産につき原則42万円を支給する「出産育児一時金」を来年度から引き上げる方針を示しています。
厚労省は、きょう開いた社会保障制度の改革について話し合う審議会で、2021年度に全国の病院で出産にかかった費用について調査した結果を報告しました。
その結果、公的な病院で出産にかかった費用は、全国平均で前年度よりもおよそ2700円増加した45万4994円で、「出産育児一時金」を上回る状況となっています。
また、都道府県別でみると、最も高い東京都では56万5092円、最も低い鳥取県では35万7443円となっていて、自治体の間でも格差が広がっています。
審議会では、こうした課題の解決に向けた結論を今年中に出すことにしていて、現在は一時金の財源を負担していない75歳以上の人に負担してもらうことなども含めて議論を進めることにしています。
政府は、出産育児一時金の引き上げを来年度から大幅に増額する方針を示しており、その財源を75歳以上の高齢者にも負担してもらう案が厚生労働省の専門部会でも示されています。
社会経済に多大な影響を及ぼす少子化は、先延ばしにできない課題として、克服するためにも、一時金を大幅に増やす方針を取り込み、少子化対策の強化を進めています。