欧米を中心に増加している感染症「サル痘」の感染が懸念
日本の新型コロナウイルスの水際対策が緩和され、1日から入国者数上限が1日1万人から2万人に引き上げられた中、欧米を中心に増加している感染症「サル痘」の感染が懸念されています。
多くは自然回復、「抑え込むことは比較的容易」
サル痘は根絶された天然痘に似た感染症で、主にアフリカで流行してきた。欧米を中心に感染者が増えているが、専門家は「新型コロナウイルスのように爆発的に拡大する可能性は小さい」としている。げっ歯類やサルなどがウイルスを保有し、かまれるなどして体液に触れると人に感染する。人から人への感染は、肌が触れ合うなど、近距離での接触で起きるとされる。飛沫(ひまつ)で感染する可能性もあり、WHOは患者と同居する家族や医療従事者へ注意を呼びかけている。
WHOなどによると、潜伏期間は5~21日とされ、発熱や頭痛、リンパ節の腫れの後、発疹が顔から手足に広がる。発疹が水ぶくれ、かさぶたになって治癒するまで約3週間かかる。多くは自然に回復し、医療体制が不十分なアフリカでの致死率は3~6%程度とされるが、5月以降に感染が広がった欧米では死者は確認されていない。
厚生労働省によると、国内でサル痘感染者が発生したことはなく、検疫所で検査する態勢はありません。
サル痘の感染が疑われるのは、説明困難な急性発疹や感染者発生国での滞在歴がある場合が考えられ、都道府県などに迅速な対応を求め、緊急時用の対応マニュアルを公表し、感染の流行に対処できるよう手を組み立てています。