岸田首相、原油価格高騰から原子力発電所の再稼働に前向きに取り組む
岸田首相は、原油価格高騰となっている現状を踏まえ、原子力発電所の再稼働の前向きな考えを示しました。
原子力規制委員会の規制基準を維持しながら、再稼働可能な原発をできる限り早く動かすことで電力供給不足に備える。
岸田文雄首相は27日、経済同友会総会のあいさつで「原子力の活用を進めていく」と表明した。
26日の民放番組では、原子力規制委員会の審査について「合理化や効率化、審査体制の強化」が必要だと指摘。「今の枠組みの中でどこまで原子力の再稼働ができるのか追求していかなければならない」と語った。
背景にあるのは規制委の審査の遅れに対する不満だ。審査のための標準処理期間は2年と定められているが、厳格な新規制基準の下で大幅な超過が相次ぐ。2011年の東日本大震災後に再稼働したのは10基のみで、北海道電力泊原発は申請から8年以上がたつ。
政府は原子力規制委の独立性を尊重し、地元の理解が得られた原発を再稼働させる方針は変えていない。ただ、自民党の原子力規制に関する特別委員会も「審査の効率化」を求める提言を準備しており、審査のスピードアップを求める政府・与党の圧力は今後強まりそうだ。
震災から10年以上が経過していますが、原子力規制委員会の新しい安全規制に対応するために再稼働まで時間がかかっています。
しかし原子力発電により、発電コストに占める燃料費の割合が、火力発電などほかの発電方法に比べて低く、燃料費の高騰による発電コストの上昇を避けることができるため、電気料金の安定に役立つとされています。
その中で岸田首相は今後、原子力規制委員会の審査の合理化・効率化を図り、審査体制も強化しながら、できるだけ可能な原発は動かしていく方針を掲げています。