コロナ禍で大ピンチに陥ったファミリーレストラン・・・深夜営業廃止、次々と閉店、“大リストラ”
先ず、一連のコロナ禍を受けて明らかになったファミレス業界の動きを振り返ります。
・ロイヤルホールディングスが不採算の続く「ロイヤルホスト」「てんや」など約70店舗を2021年度末までに閉店することを発表。内訳は非公表だが大部分が「ロイヤルホスト」と見られる。(5月14日)
・すかいらーくホールディングス(「ガスト」「ジョナサン」「バーミヤン」等を運営)が、7月1日から全店での深夜営業廃止を発表。(5月26日)
・店舗数で業界第3位の「ジョイフル」が約200店舗を2020年7月から順次閉店すると発表。(6月8日)発表された閉店計画は、“大リストラ”
この1カ月弱(実際には約3週間)だけで見ても、これだけの大きなニュースが発表されました。
特に、中国・四国・九州ではトップを快走する「ジョイフル」の200店舗の閉店計画は衝撃的でした。現在の店舗数が767ですから、約26%が閉店することになります。また、「ロイヤルホスト」に関しても、仮に閉店予定70店舗のうち50店舗が「ロイヤルホスト」だとした場合、現在の店舗数が202ですから、約25%閉店と試算できます。
「ジョイフル」も「ロイヤルホスト」も、はっきり言って大リストラであることは間違いありません。今後、他のファミレスも同じような閉店計画や事業縮小に踏み切るものと考えられます。
そこで、ファミレスの特徴やアドバンテージなどを考えながら、今回のコロナ禍による影響を考察してみます。
1フロアーの広大な店舗による高賃貸料が大きな足かせに
ファミレス店舗の最大の特徴は、その広さです。しかも、ほぼ全てが1フロアーです。これは言い換えると、賃貸料が非常に高いことを意味します。
一定の需要があった深夜営業も廃止や大幅な縮小傾向に
深夜にファミレスへ行ったことがある方ならお分かりだと思いますが、なぜか深夜メニューは少し割高で、サービス料(概ね10%)も加算されます。さらに、競合相手(主にファストフード)が営業していないパターンが多いため、意外に混んでいました。
しかし、在宅テレワークの定着などで消費者の飲食行動が大きく変わり、深夜営業も縮小を余儀なくされました。すかいらーくグループが深夜営業を「休止」ではなく「廃止」にしたことは、もう深夜営業が成り立たなくなったことを如実に表しています。
テイクアウト営業ではファストフードに劣る
ファミレスは店内飲食がメインであり、元々、テイクアウトという概念が希薄です。今後、テイクアウト商品を拡充するとしても、コスト高(容器など)を吸収するだけの売上が見込めるかどうか疑問が残ります。
収益源の高齢者層や“おひとり様”の外食頻度が大幅減に
ファミレスと聞くと、その名の通り、子供連れの家族が食事をするイメージが強いと考えられます。しかしながら、意外に思うかもしれませんが、ファミレスの主要顧客は、高齢者層や“おひとり様”が多いことが分かっています。
特に、高齢者層は女性を中心に昼間、ギャーギャー騒ぐ中高生が多いファストフードを避け、比較的ゆっくり落ち着けるファミレスを利用します。その証拠と言っていいかどうか分かりませんが、ファミレスのメニューには、高齢者やシニア層が好む品物(ぜんざい、和菓子、蕎麦などの和食等)が数多く載っています。
確かに、ファストフードに比べると価格は高くなりますが、多くの高齢者層(年金受給者含む)はまだ余裕があると見ていいでしょう。逆に言うと、中高生にとってはファミレスは価格が高過ぎるのです。
ところが、コロナ感染による命の危険が高いと言われる高齢者層が、外食の頻度を一気に落としました。また、高齢者を含めた“おひとり様”も外食の頻度を下げています。
ファミレスも実に40年以上にわたって、様々なアイデアや業態変更で時代のニーズの変化に対応してきました。この多大な功績は無視できません。しかし、今回のコロナ禍への抜本的な対応は難しいというよりも、不可能に近いものがあると考えるのは筆者だけでしょうか。
最後に、筆者も頻繁に利用したファミレスへ感謝の意を表したいと思います。
「さよならファミレス。今まで本当にありがとう!」
https://news.yahoo.co.jp/articles/78020e077263b2a43618ca12c83fb35dbf3c1eec
ネットの意見
客がいる間はその席の消毒もできんし。
ぜんぜん落ち着かなくて、それ以来行ってない。
深夜営業のレストランが貴重になりそうだな
だった
もうガキ連れの親子は来ないよ
どこも似たり寄ったりの店、セントラルキッチンのメニュー
もっとシンプルで個性的な、チェーンじゃない店が増えてほしい
基本的に外食の店が多すぎ、淘汰はやむを得ない