朝日新聞「創業来の大赤字」のとてつもない難題
11月25日にFACTA ONLINEが『朝日新聞が「創業以来の大赤字」/渡辺社長が来春退任/「後継は中村副社長と示唆」』との記事を配信したことが、新聞、テレビ、出版などのいわゆるメディア業界をざわつかせ、ツイッターにもトレンド入りしました。
FACTAによれば、朝日新聞社の渡辺雅隆社長が労使交渉の場で伝えた情報だということなのですが、公表データではありません。
■「170億円の赤字」が具体的に何を示すかは不明だが
記事中には、「2020年度決算が創業以来の約170億円の大赤字に陥る見通しになった」とあるのですが、そもそも赤字が営業赤字なのか一時的な特別損失なのかそれとも新型コロナにともなう関連会社の企業価値減少を反映した包括利益の損失なのかもはっきりしません。ですからこの報道だけでそれがどれくらい朝日新聞社の経営にとって厳しいことなのかはわからないことがまだ多い状況です。
ただ、その大赤字の詳細は今後の報道を待つとしても、経営コンサルタントの視点で眺めると朝日新聞社には構造的に経営改革が進みにくい理由があります。実際、私も若い頃は経営改革のコンサルで似たような構造の企業改革で四苦八苦した経験があります。
今回の記事ではなぜ朝日新聞社の構造が難しいのか? そして改革をするとすればどのような方向があるのか? それぞれの要点を解説したいと思います。
朝日新聞社にはその経営改革を難しくさせる3つの構造が存在します。それは、
1. 業界の中で死の谷のポジションにいること
2. 不動産業という副業で莫大な利益があがっていること
3. 民間企業でありながら「社会の公器である」ということ
です。それぞれを解説しましょう。まず「死の谷」というのは古典的で普遍的な経営戦略のコンセプトです。同じ業界で競争をする大企業同士を比較すると圧倒的なトップが儲かり、それに続く2番手、3番手の企業は収益が上がりにくい。たとえば自動車ではトヨタ自動車と比較して日産自動車、ホンダが、コンビニではセブン-イレブン(セブン&アイ・ホールディングス)と比較してファミリーマート、ローソンが死の谷のポジションにいます。
この死の谷のポジションの企業は、業界が好調のときは利益が上がるのですが、不況になるとまっさきに業績が悪くなります。そして業界が縮小して事業から撤退するのも死の谷の企業から始まります。東芝が家電事業を中国企業に売却したのもその理屈です。
興味深いことに業界のさらに下位の企業の中には好業績を上げる企業があります。トップと同じことをやっていたら勝てないことが自明なので差異化を試みて成功するのです。
新聞業界では2020年上半期時点で771万部(ABC部数、以下同じ)と部数トップの読売新聞が持ちこたえている一方で、516万部と2番手の朝日新聞が大赤字に転落したというのが今回の話です。ちなみに全国紙では3番手が225万部の毎日新聞、4番手が213万部の日本経済新聞、5番手が133万部の産経新聞ということになります(直近で3番手と4番手が僅差で入れ替わったというニュースもありますがここではこの順位のままでお話しします)。
■毎日、産経はすでに縮小経営を進めている
読売新聞も10年前まではだいたい1000万部の部数近辺で安定推移していたのが、2014年頃から急落を始めました。この上半期が771万部というと「かなり減ってきたな」というのが正直な印象です。ここ数年は新聞業界全体では毎年200万部ペースで発行部数が減少しています。
こういう長期凋落傾向の経営環境になってしまうと、業界トップの読売と同じやり方で対抗しようとする2番手の朝日の業績が大きく沈んでしまうのは、経営戦略のセオリー通りの現象だといえるのです。同様に毎日や産経も苦しく、希望退職を募るなど縮小経営を進めてきています。
全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/fbc75523641d13ff49c147cc43e9e299c0762918
ネットの意見
多くの国民が朝日新聞離れしてるのか?
ボロ儲けしてそう。
バレたら売上が減るのは当たり前