
「ブラック霞が関」とも言われ、長時間労働常態化で「国家公務員離れ」が深刻化です。キャリア官僚の給与引き上げで対応のことですが、労働環境の改善が先です
長時間労働が常態化で、人事院が若者の「国家公務員離れ」が深刻化している現状への強い危機感から大幅な待遇改善に踏み切ったそうです。
国家公務員の採用状況は厳しさを増している。「キャリア官僚」と呼ばれる幹部候補の総合職試験の申込者数は、2015年度には2万3782人だったが、25年度は1万6762人で、3割近く減少した。
若手・中堅の離職も深刻だ。採用から10年未満の総合職の退職者は、13年度の76人から、22年度は177人にまで増えた。
背景には、「ブラック霞が関」とも言われ、長時間労働が常態化していることがある。
国会の開会中は、国会議員から質問内容を事前に聞き取り、閣僚の答弁を作成する作業が深夜に及ぶ。職員からは「給与が労働時間に見合っていない」などと不満の声が出ている。
こうした状況を踏まえ、今回の勧告では、賃上げが進む民間企業との給与面での格差を縮めた。勧告通りに実施されれば、中央省庁に勤務する50歳の課長のケースでは、年間給与は現在から99万円増え、1447万円となる。
働く側としては賃上げは嬉しいでしょうが、見る限り、賃上げよりも業務改善の方が優先だと思います。特に問題視されている国会対応です。国会答弁の作成など、国会からの質問通告が遅れることが、残業の大きな要因の一つとして指摘されています。国会議員がもっとゆとりをもって提出していれば改善できることです。人材不足も深刻のようですが、環境を改善しなくては、人も集まらないだろうし、入ってもすぐやめられてしまいます。
昔の官僚は国を動かすことにやりがいを感じていたそうですが、今は労働環境はブラックだし、国会では野党に罵られるしで散々です。職場に魅力がなくなれば、能力のある人ほど去っていく傾向にあると言います。国家の中枢から能力のある人材がどんどん去っていくことになれば大変なことが起こります。
是非とも労働環境の改善も進めるべきです。
