厚生労働省、熱中症の発生を防ぐために対策を呼び掛け
厚生労働省は、日本の夏における高温多湿な気候による熱中症の発生を防ぐため、さまざまな取り組みを行っています。
症状と重症度については、最も重いⅢ度(熱射病)は意識がない、けいれん発作、身体が熱いといった症状があるとし、Ⅱ度(熱疲労)は、口の渇きやめまい、頭痛、倦怠感などが特徴。顔面蒼白(そうはく)や脱水、吐き気、めまい、立ちくらみや急性筋肉痛、こむら返りの症状が出たらⅠ度(熱失神・熱けいれん)だという。
いずれの場合も手当が必要。Ⅲ度は入院治療が、Ⅱ度は医療機関での診療がそれぞれ必要で、Ⅰ度でも119番した上で、冷所で安静を保ち、身体を冷やすなどの応急措置が必要としている。例えば作業員の顔面蒼白など、様子がおかしい場合はすぐに119番し、救急車が到着するまで作業着を脱がせ、水をかけて全身を速やかに冷やすことを勧めている。
危ない状況としては、直射日光が当たる、照り返しが強い、風通しが悪い、重量物を運ぶ作業などを指摘。対策として例えば、宅配業者や引っ越し業者は日陰を探してこまめに休憩をすること、ビルメンテナンスの作業員は通気性の良い作業帽をかぶり、単独作業を避けることを推奨している。
大切な予防法としては、仕事をする前日夕方に熱中症警戒アラートが出た場合はこれを確認して前夜は睡眠を十分とり、飲酒は控えめにすることなどを挙げ、当日は仕事前の体調や食事の有無、仕事中の水分・塩分補給など、チェックする項目を例示している。この中で塩や砂糖、レモンを使って自分で作れる「熱中症予防ドリンク」の作り方も紹介している。
その他には、暑さに慣れるための「暑熱順化」を大切にされ、順化するまでは十分休憩をとり、2週間ほどかけて徐々に身体を慣らし、順化が進むと早く汗が出るようになり、体温の上昇を食い止められることを呼び掛けています。
このように厚生労働省は、メディアやウェブサイトを通じて熱中症予防に関する情報を提供し、市民に向けて適切な予防対策や注意喚起を行っおり、特に高齢者や子供など、熱中症にかかりやすい方への情報発信に力を入れています。