人手不足が景気改善の足かせに
日本銀行が10日公表した地域経済報告(さくらリポート)は、全国9地域全てで景気が「持ち直している」「回復している」と判断しました。
新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」に移行し、経済の正常化が地方でも着実に進んでいることを印象付けています。
一方で需要の急増に対応するための人手を確保できずにサービス提供を制限するなど、人手不足が景気改善の足かせとなっている実態も浮き彫りとなった。
「キッチンなどの人手不足で料理提供に時間がかかり、客が他店に流れてしまうなど機会損失が生じている」(神戸・商業施設)
「技術者を中心とした人手不足で生産水準を引き上げられず、一部受注を断っている」(新潟・繊維)
今回のさくらリポートには、人手が足りず需要拡大に対応しきれない企業の事例が全国から寄せられた。
人手不足が景気改善の足かせに 日銀地域報告
今後の焦点は賃上げが持続するかです。
日銀内には労働力人口の減少という構造問題も念頭に「賃上げの原資を確保するための値上げを模索する動きもみられる」と企業に変化の兆しがみられるとする意見があり、価格と賃金の上昇という好循環が定着していくかを注視しています。