LGBT法成立、対応は大企業先行も遅れる中小
LGBTなど性的少数者への理解増進法が16日の参院本会議で成立し、法制度に先行して対応を進めてきた大手企業や経済界は国際的な潮流に沿ったものとして評価する一方、経営余力に乏しい中小・零細企業への負担を懸念する声も漏れます。
同法は事業者などに具体的な行動を義務付けてはいないものの、職場環境や相談体制を整える努力を促しており、対応が遅れている企業は取り組みへの着手や加速化を迫られそうだ。
働きやすい職場環境づくりを進めている大手企業は少なくない。パナソニックホールディングス(HD)やサントリーHD、伊藤忠商事、大和ハウス工業、江崎グリコは性別を問わず利用できるトイレを本社や研修施設などに設置し、パナソニックは男女共通の作業着も用意。東芝は社員が情報を交換するコミュニティー「カメレオンズクラブ」を2年半前に立ち上げ、相互理解を後押ししている。
福利厚生や人事制度に反映させる取り組みも進みます。積水ハウスは令和元年11月、同性や事実婚のパートナーを法律婚と同様に社員の配偶者として認め、家族手当の支給や忌引休暇の取得などを可能にする規則を導入しました。
住友商事や三菱商事、三井物産も同性パートナーを持つ社員向けに同様の制度を取り入れたとのことです。