GDP、個人消費回復によりコロナ前水準にまで回復
2022年4月から6月までの国内総生産の速報値は、増加傾向であり、この状態が1年続いた場合の年率換算は2.2%の増加見込みとなり、実質GDPは、新型コロナウイルス禍前の水準を上回り、行動制限の解除から個人消費が回復したことが考えられます。
前期(22年1~3月期)の増減率が年率0・5%減から同0・1%増に修正され、3四半期連続のプラス成長となった。
GDPの内訳を見ると、約6割を占める個人消費は前期比1・1%増。全国各地のまん延防止等重点措置が3月下旬に全面解除され、外食や旅行などの対面サービスが伸びた。
民間の設備投資は1・4%増と2四半期ぶりにプラスとなった。デジタル化や脱炭素に向けたソフトウエア投資などが堅調だった。公共投資も21年11月の経済対策に盛り込まれた公共事業が進んだことなどから0・9%増と、1年半ぶりにプラスとなった。
一方、輸出は0・9%増。中国・上海でのコロナ感染拡大に伴う都市封鎖(ロックダウン)の影響が懸念されていたが、中国以外の地域が底堅く推移した。輸入も原油や天然ガスの購入増加で0・7%増となり、輸出から輸入を差し引いた「外需」のGDPへの寄与度はほぼなかった。
物価変動を反映し景気実感に近いとされる名目GDPは前期比0・3%増、年率換算では1・1%増だった。
3月下旬にまん延防止等重点措置が全面解除されたことにより、外出の機会が増え、飲食や旅行の需要が回復したことにより、個人消費が大きく伸びたことが主な要因として考えられます。
その中で、物価高騰や世界的な景気後退懸念などが成長を下押しするリスクが考えられるため、売り渡し価格の据え置きや、新型コロナウイルスの対策等、今後の政府による改善取り組みに期待されます。