来年で黒部ダム完成から60年。改めて見えた原発の有用性。
黒部ダムの黒部川第四発電所=くろよん(富山県)は来年で完成から60年となります。
戦後、関西の電力不足を解消するため多くの犠牲者を出しながら成し遂げられた大工事でした。
既存施設の効率的な利用の観点からも原子力発電の有用性がみえてきます。
黒部峡谷は世界的に急勾配の黒部川があり、水資源も豊富なため水力発電の最適地とされてきた。ダムは昭和31年、関西の電力不足を解消するため建設を開始。内橋さんは「3千メートル級の山々に囲まれた建設予定地へのルートは限られ、過酷な自然環境の中で人力による資材輸送は過酷なものだった」と説明した。
最大の難所が長野県大町市側からのトンネル工事だった。地下水をため込んだ軟弱な地層から毎秒660リットルの水と土砂が噴出。約80メートルを突破するのに約7カ月かかった。工事による殉職者171人を出しながら、ダムは38年に完成した。発電所から地上に向かうと、堰堤(えんてい)の高さ186メートル、長さ492メートルの巨大ダムが水をたたえていた。現在では人気観光地となりながら、約350キロ離れた関西方面に送電している。
関電関係者は「黒部は関電にとって特別な場所。今となっては、これだけで電力需要を賄えるようなものではないが、効率的でないからと簡単に手を引くことはできない」と語った。
(中略)
水力は再エネの中でも安定して発電でき、発電や管理のコストが低いといったメリットがあるが、巨大ダムのくろよんでも最大発電量は33万7千キロワット。平均的な1基で最大約100万キロワットを発電できる原発に比べると、発電量は少ない。
上記引用元にもあるように、水力発電である黒部ダムの最大発電量は33万7千キロワットです。
比べて原子力発電では1基で、最大約100万キロワットを発電できます。
入江啓彰・近畿大短期大学部教授は「既存施設を有効活用することが重要だ。中長期的には原発を再稼働して安定供給を図り、エネルギー構成を見直す必要がある」と指摘しています。
我々の生活に欠かせない電力を賄うため、これからのエネルギー対策を今一度考え直す必要があります。