岸田総理の手腕が光った日本の権益確保です。。。国民の生活を守ることと外交戦略の見事な調和ではないでしょうか。。。
ロシアのウクライナ侵攻で各国が制裁を強めていますが、その中でも光ったのが岸田総理の対応です。各国が制裁を強化する中で日本のサハリンでの権益を守ろうと奔走していました。もちろん、国民生活への負担を考えてのことですが、それ以外にも過去の経験が活かされています。
日本が制裁に同調したのは今回が初めてではありません。イランに対しての制裁の時も国際社会と同調し、その際、中東で有数の規模を誇るアザデガン油田の開発から手を引きました。
その結果アザデガン油田の権益は日本を離れたわけですが、最終的には中国の手に渡ってしまったのです。
岸田総理は国民生活を守ること、そして教訓を糧に絶妙な戦略を取ったということになります。
岸田総理が守り抜いたサハリンの権益。。。
ロシアによるウクライナ侵攻によって物価の高騰が続いています。もちろん早期の停戦・和平の実現に岸田総理には全力を挙げてもらいたいと思います。
その一方で、忘れてはならないのが国民生活への影響です。岸田総理が巧みな交渉によってサハリンの権益を守り抜きましたが、これが失われていた場合のコストを大学教授が算定しています。
資源小国の日本は中長期的にロシアへの依存度を引き下げる方針では一致するが、すぐに転換するのは難しい。広島ガスは液化天然ガス(LNG)の約5割、東邦ガスは約2割をサハリン2から輸入しており、供給が滞ると事業への影響が大きい。日本ガス協会の本荘武宏会長(大阪ガス会長)はロシアへの依存度引き下げについて、「当然検討していく必要があるが、(代替調達先は)すぐには申し上げられない」と語った。
ロシアは日米欧などの「非友好国」に対し、天然ガスを購入する際にルーブルでの支払いを求めるなど揺さぶりをかけている。しかし、日本がサハリン2から撤退した場合、LNGの調達コストが増え、原燃料として使う電気・ガス料金の上昇につながる可能性がある。エネルギーに詳しい明星大学の細川昌彦教授は「減少分を補うためにスポット取引で調達せざるを得ず、日本側は年1兆円以上のコスト増になる」と試算する。
サハリンでの権益を失っていた場合の調達コストは年間で一兆円以上かかると指摘しています。そして日本の事業者の中には、サハリン2から輸入し、依存度が高いところもあります。
岸田総理の巧みな交渉がなければ、国民生活への影響がより甚大なものになっていたはずです。
岸田総理の手腕が光った日本の権益ですが、これには教訓も活かされています。
日本が手放した場合、中国のものになる危険性が大です。。。
日本が共同歩調をとって制裁に加わったのは対ロシアが初めてではなく、対イラン制裁の時も国際社会と共同歩調を取りました。
その対イラン制裁に加わった際、日本は今回と同様に苦しい決断を迫られていました。
政府が一部出資するINPEX(旧・国際石油開発帝石)は2010年、中東で有数の石油埋蔵量を誇るイラン南西部「アザデガン油田」の開発から撤退した。米国の対イラン制裁法に基づく制裁対象になると米金融機関の融資を受けられなくなる恐れがあり、苦渋の決断を迫られた。
すでに約125億円を投資していたが、保有していた10%の権益をイラン国営石油会社に無償で返還した。この権益を譲り受けたのが、中国国有の中国石油天然ガス集団(CNPC)だった。
アザデガン油田から撤退した日本ですが、結局巨額の投資をしながら日本の権益が中国に移っただけの結果に終わってしまいました。
仮に今回、サハリンでの日本の権益を手放していた場合、アザデガン油田と同様のことが起こっていた可能性が高かったでしょう。
国民生活を守り、そして中国へ権益が移ることを防いだ岸田総理の手腕は光るものがありました。今後も世論に流されることなく、国民生活の生活を守る為に全力を挙げてもらいたいと思います。