米で新型コロナウイルス警戒高まる 死者10人・感染者129人 ロスは緊急事態宣言

米、新型コロナウイルス警戒高まる 死者10人・感染者129人に

米国では4日、新型ウイルスへの感染による死者が2人増え、計11人となった。人口の多いニューヨーク、ロサンゼルス両市の周辺でも新たに感染が確認され、ロサンゼルス郡は非常事態を宣言した。

新たな死者の1人はカリフォルニア州の高齢者で、基礎疾患があったという。ワシントン州以外で死者が出るのは初めて。

カリフォルニア州北部プレーサー郡の発表によると、死亡した患者はサンフランシスコ─メキシコ間で運航されたクルーズ船上で2月11─21日の間に感染した可能性が高い。同郡で確認された新型ウイルスによる肺炎の患者は2人目。

ワシントン州の保健当局は、シアトル地域で感染者が前日の27人から39人に増加し、死者は9人から10人に増えたと明らかにした。

ニューヨーク州では、すでに感染が確認されていた患者の家族3人と隣人が新たに陽性と判明し、感染者が10人に増加した。同州のクオモ知事によると、隣人の家族4人も感染している。

クオモ知事は、この2家族が住むウエストチェスター郡で感染の恐れのある約1000人に対し自宅隔離を命じたと明らかにした。

知事はさらに、ニューヨーク州の州立大学と同市立大学から日本や中国、イタリア、イラン、韓国などに留学している約300人の学生を帰国させると発表した。チャーター機を派遣し、学生は帰国後14日間隔離される。

カリフォルニア州ロサンゼルス郡でも6人の感染が確認され、同郡は4日、非常事態を宣言した。6人中3人は最近、感染が深刻なイタリア北部に渡航していた。

米疾病対策センター(CDC)によると、現時点で米国内での新型ウイルス感染者(疑い例含む)は129人。うち80人は13州で報告され、残りの49人は海外からの退避者だった。この数字にカリフォルニア、ワシントン、ニューヨーク州の新たな感染者が含まれているかは不明。

関連記事一覧