玉川氏が選択的夫婦別姓を巡り「夫婦同姓を守っているのは世界の中で日本ぐらい」と暴論です!他にも日本だけってありますよ?そっちは指摘しないのですか?
自民党総裁選を巡り、選択的夫婦別姓について、各候補の主張が注目されています。
選択的夫婦別姓については、賛成の方が上回っているようですが、非常にデリケートな問題で、慎重に議論をしなければならない問題ですが、驚くことに、元テレビ朝日の玉川徹氏は「世界が夫婦別姓なのだから日本も」と言わんばかりの暴論を述べました。
「夫婦別姓は日本だけ」?他にも日本だけってありますよ?
テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」に出演した玉川徹氏は、番組内で『かたくなに夫婦同姓を守っているのは世界の中で日本ぐらいと言われている』と指摘しました。
しかし、この指摘には疑問しかありません。国が持つ家族観は他国に影響されることなく尊重されるべきと思います。
そんなことを言ったら、「戦争の放棄」「戦力の不保持」を定めている憲法9条は日本にしかありません。玉川氏の主張の通りなら、これも世界に倣うべきではないのでしょうか。今の日本を取り巻く安全保障環境を考えると、戦力の不保持は心配でしかありません。
他にも「スパイ防止法」がないのは、主要国で日本だけで、「緊急事態条項」については『OECD 加盟国(38 か国)のうち、30 か国(79%)には緊急事態条項があり、8 か国(21%)には緊急事態条項がない。議院内閣制の国について見ると、19 か国のうち 12 か国(63%)に緊急事態条項がある』とのことですが、これについてはどう考えているのでしょう。世界に倣えと言うのなら日本にも設けるべきではないでしょうか。そんなこと今まで玉川氏は主張したでしょうか。
慎重に議論すべき問題
冒頭で選択的夫婦別姓についてデリケートな問題と述べましたが、『夫婦同姓の制度は戸籍制度と一体不可分だ。結婚すると夫婦は同じ戸籍に登載される。その間に生まれた子供も同様だ。つまり、姓(法律上は氏)は夫婦とその間に生まれた子供からなる家族共同体の名称という意味を持つ。別姓になれば、姓は共同体の名称ではなくなる』との指摘もあります。自民党の高市早苗経済安保相も過去に『選択的とはいえ戸籍法や民法をいじった場合に日本全体の戸籍制度に影響が出る』と指摘し、最近でも『「戸籍上のファミリーネーム、家族一体とした氏は残したいと思っている」「安倍晋三元首相も「夫婦別氏はダメだ。戸籍上も夫婦、親子を別の氏にしてしまう」と再三懸念を示していた」』と述べていました。
それに、夫婦間ではいいかもしれませんが、親と子で性が異なる場合は勿論ですが、兄弟で性が違う可能性もあります。高市氏が「家族一体とした氏は残したい」と考えているように、おそらく、殆どの夫婦は同姓を選択するでしょう。ですが、一例をあげると、一部の別姓を選択する夫婦の子どもには「なんで親と姓が違うの?」「なんで兄弟で性が違うの?」といった何気ない指摘が、友達から子供に向けられるでしょう。この時、しっかり親がカバーしなければ、子どもは傷つくでしょう。最悪はいじめ問題に発展する可能性すら考慮しなければいけません。だから慎重に議論し、選択的夫婦別姓を導入するなら入念な準備が必要なのです。
玉川氏のように安易にとらえていい問題ではないのです。