「こども・子育て支援加速化プラン」で男性育児の取得を促進
こども家庭庁が取りまとめた、こども・子育て政策の強化について、今後3年間で取り組みを集中させる内容として、「こども・子育て支援加速化プラン」が掲げられており、「骨太の方針」の発表に向けて検討が進められています。
(1)男性育休の取得促進 ~「男性育休は当たり前」になる社会へ ~
以前の記事で、国が少子化対策の参考資料としている国際比較のデータを取り上げましたが、傾向としては「夫が家事・育児をする家庭では、妻が出産後も仕事を継続する、子どもを2人以上産む割合が高い」というものでした。少子化対策として、男性の育休取得を促進するデータ的根拠のひとつとなっているようですが、男性の育休取得率を2025年までに30%にする現行の政府目標について、こども・子育て支援加速化プランでは以下のように大きく引き上げているほか、育休を取得しやすい環境整備も盛り込まれています。
●男性の育休取得率の目標
2025年:公務員 85%(1週間以上の取得率)、民間 50%
2030年:公務員 85%(2週間以上の取得率)、民間 85%ちなみに民間での直近の育休取得率は、女性が85.1%、男性が13.97%となっており、このような数値を見ると、目標の設定として適切なのか疑問を感じる方もいるでしょう。
男性の育休取得率を大幅に向上させるための方策のひとつとして、育児休業給付金での対応が検討されていますが、こども・子育て支援加速化プランでは「産後パパ育休(最大28日間)を念頭に」としたうえで、給付率について現行の育休開始時賃金の67%から、8割程度に引き上げるとしています。
育休を取得している期間は、休業日数や開始日・終了日によって健康保険料や厚生年金保険料が免除されるため、実質的な給付率は手取りで10割相当、つまり、ほぼ100%となることが期待されます。
政府は男性育休の取得促進に向けて積極的な取り組みを行っており、具体的な施策として、育児休業法の改正や啓発キャンペーンの展開が挙げられ、法改正により、男性が育休を取得しやすくなるような制度整備が行われ、男性の意識改革を促すための啓発活動が行われています。
また、企業に対しても男性育休取得の促進策を導入するよう働きかけが行われています。これにより、男性も積極的に育休を取得し、家庭と仕事の両立を図ることができる環境が整備されています。
子育て世帯への経済支援、子育て環境の質的な向上に加えて、共働きや共育ての推進は、仕事と家事・育児を両立しやすくするための支援として取り組まれています。