新型コロナウイルスBA.2からBA.5の置き換わりに症状が変化




新型コロナウイルスの感染拡大は続き、政府は感染防止策に取り組んでいます。「第7波」と呼ばれる今回の流行の原因であるオミクロン株は、系統がBA.2からBA.5に置き換わり、症状や経過に変化が見られます。

BA.5の「実効再生産数」(1人の感染者から感染を広げる人数の平均値)は1.2倍程度で、BA.2に比べると若干感染が広がりやすいと言われています。さらに、ワクチンによる免疫をすり抜ける「免疫逃避」の性質があると言われており、ここが厄介なところです。
第6波の時は、ワクチンを2回接種した人であればそれほど症状が強く出ませんでした。しかし、BA.5に置き換わった今は、ワクチンを3回打っている人でも結構高い熱が出たり、のどの痛みが強かったりする人が目立っている印象はあります。この状況が免疫逃避を裏付けているのではないかと考えます。

また、BA.5の病原性に関して、当初は「強まっているというエビデンスはない」と報告されていましたが、その後、動物実験で「肺でウイルスが増殖する可能性」を示す仮説が出てきました。ただ、あくまでも動物実験なので、ヒトで同様のことが起こるのかは不明確です。
感染が先行したポルトガルで重症者が多いという報告はありましたが、病原性と短絡的に結び付けることはできず、何とも言えないところです。

引用元 「第7波」の動向を専門家が解説!ピークアウトの予測と、「BA.5」の特徴、ワクチンの有効性は?

オミクロン株では、のどの痛みや鼻水、発熱などインフルエンザや風邪と共通した症状が出る人の割合が高くなっている一方、嗅覚や味覚の異常といった新型コロナウイルス特有とみられていた症状の出る人の比率は減少されています。

しかしながら、新型コロナワクチンの追加接種は必要とされ、発症予防効果及び入院予防効果の回復が示唆されていることから、地方公共団体等の追加接種は実施され、特に高齢者についてはワクチンの追加接種を可能な限り前倒しで呼びかけています。



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