ロシアに経済制裁、効果は限定的。エネルギー価格高騰で日本に跳ね返りも懸念。
政府は25日、ウクライナへ軍事侵攻したロシアに経済的な打撃を与えるために、金融機関の資産凍結や輸出規制といった追加経済制裁を発表しました。
ですが、米欧各国との協調という側面が強く、効果は限定的とみられています。
一方、ロシアと経済的なつながりが強い欧州各国は、ロシアによる大胆な軍事侵攻に反発しています。
欧米が日本を巻き込んでより強力な制裁に踏み出すことで、ロシアの報復措置も予想され、エネルギー価格高騰などで日本にも多大な影響を起こす恐れがあります。
半導体など対露輸出規制は、経済産業省が対象範囲の詰めを急ぐ。通信機器や航空機部材など、米国が公表した品目に準じるとみられている。日本の半導体の対露輸出は令和3年で約5・8億円と半導体輸出全体の0・01%止まり。ある政府関係者は、「日本企業への影響は限定的だろう」と話す。
一方、金融制裁では政府系の開発対外経済銀行(VEB)、軍との関係が深いプロムスビャジバンクなど計3銀行を対象に資産凍結が示された。3行はいずれも中規模の銀行で、対象とした理由を財務省は「あくまでロシア政府や軍、ウクライナの不安定化に関わるメディアへの制裁だ」と説明する。露最大手ズベルバンクへの制裁は見送られるなど、実効性には疑問符もつく。
ロシアとの経済的なつながりが強い欧州に比べ、日露間は金融機関同士の取引が少なく、メガバンク関係者も「対象3行との取引がダメでもロシア他行の口座への送金などは可能」と指摘、影響は限定的とみる。
現在の制裁について、「段階的に小出しする米国の戦略で、軍事行動次第で先がまだある」と指摘する声もあります。
その上で「日本は今後も対露追加制裁に協調せざるを得ないため、貿易面での直接影響よりもエネルギー価格高騰などの影響を覚悟したうえで階段を上がることになる」という声もあります。
激化するウクライナへの攻撃。
各国から避難される今回の侵攻ですが、経済制裁等の対策で支援し、一刻も早く惨劇を止める必要があります。