東京五輪と『運動会』等の混同が相次ぐ。。。感染防止対策を取る主体と感染防止対策が違うことに何故気が付かないのでしょうか?
関係各所が準備を進める東京五輪ですが、開催を目前にしてもなお開催に批判的な声が上がっています。
批判的な主張をするには、言うまでもなくそれ相応の根拠が必要です。根拠がない主張が、人々の共感を得ることはありません。
東京五輪の開催を前にして、未だに根拠がない主張がされています。それが東京五輪と『運動会』の比較です。子どもたちの運動会が出来ないことには同情しますが、それと東京五輪を比較するのは無理があります。
感情に訴える主張ではなく、議論できるよう根拠に基づく主張を求めたいと思います。
東京五輪と運動会を並列に考える主張は無意味。。。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、1年以上に渡り多くの人々が自粛・我慢をしてきました。
自粛や我慢をしてきた人たちの一部から、東京五輪と『運動会』を並列に捉える主張が相次いでいます。
「保育園のイベントがことごとく、ずっと中止になっている。運動会はもちろん、料理のイベント、授業参観も全部が中止になっている。それでいて、一方でオリンピックはやるとなったときに、子どもはずっと練習していたダンスが保護者の前で発表できずに泣いたりしている子もいる。では『なぜ、オリンピックは開催されるの?』と聞かれたときに、ちゃんとした説明ができない状況がずっと続いている」
そのように話した大島氏はさらに「オリンピックのために私たちは生活の自粛とか我慢をしているわけではないというのは思い続けていた。なんて説明したらいいのか…子どもへの説明がわからない」と続けた。
引用元 「オリンピックのための自粛や我慢ではない」大島由香里、保育園の行事が軒並み中止で複雑な心境明かす
大島氏の言う通り、「オリンピックのための自粛や我慢」ではありません。感染拡大防止のための自粛や我慢です。
ですが、運動会等と東京五輪が比較するのには無理があります。『なぜ、オリンピックは開催されるの?』との疑問についての回答は単純です。
感染防止対策の主体と感染防止対策の度合いが異なるからです。
東京五輪で実施される感染防止対策は、類を見ない厳しいもの
東京五輪の感染防止対策は、他の国際的なイベントと比較しても厳しいものになっています。それを可能にしているのは、政府が感染防止対策を練り上げているからに他なりません。
観客を入れて東京五輪を実施する場合には、次のようなことが検討されています。
政府関係者によると、検討案では、ワクチン接種を終えている観客には、接種証明書があれば、陰性証明書の提示は求めない方針。また、会場内での食事や飲酒も禁止する案もある。
観客上限数は6月に判断すると決まっているが、政府関係者によると、観客の陰性証明書提示案は約半年前から上がっていたという。今後、検討案についての議論が進められる予定だ。
引用元 観客に陰性証明書の提示を検討 東京五輪感染症対策の一環
観客に対して、陰性証明書の提示やワクチンの接種証明を求めることが検討され、さらに選手や関係者に対してはより厳しい措置を東京五輪組織委員会は検討しています。
東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長は11日の定例記者会見で、東京大会の新型コロナウイルス感染対策を選手や関係者が守らない場合の対応について「安心につながらない限りは安全を確保していく必要がある。そういった場合は厳しいこともお願いしないといけない」と述べ、制裁金を科すなどの措置があり得るとの認識を示した。検討内容は、来週にも公表される大会参加者の規則集「プレーブック」最終版に盛り込まれる見通し。
引用元 感染対策違反、制裁金も 橋本組織委会長「厳しい対応ある」―東京五輪
制裁金を検討しているとのことですが、これ以外に新型コロナウイルスの検査や隔離、移動制限等の厳しい感染防止対策が敷かれることになっています。
感染防止対策の一部を見ただけでお分かりだと思いますが、東京五輪と『運動会』では、感染防止対策のレベルが異なるのです。
東京五輪は、できうる万全な感染防止対策を実施の上で開催されます。一方『運動会』はどうなのでしょうか。可能な限りの感染防止対策を実施した上で開催することができるのでしょうか。
東京五輪と運動会の比較という稚拙かつ感情的な主張は、東京五輪はもちろんのこと、その『運動会』と含めたイベントの開催に向けた建設的な議論の役に立つことはありません。
そしてもし彼らが運動会のことをそんなに重要と考えるならば、どのようにして運動会を開催すべきかを提案すべきでしょう。それは可能だと思いますが、それはしません。自信もないし誠意もない証拠です。
マスコミには、建設的な議論に役立つ情報を提供してもらいたいものです。