日本への影響が拡大中国「ロックダウンで物流大混乱」
中国のゼロコロナ政策による、新型コロナウイルス流入の徹底抗戦の影響から現地の物流網は圧迫され、日本経済への影響が広がっています。日本郵便は、国際スピード郵便物と航空便と船便による小包の取り扱いを停止しました。
■EMS停止後に一気に増えた問い合わせ
SFは中国最大の物流企業で、日本で言えばヤマト運輸のような存在だが、日本人消費者の知名度は高くない。ところが、上海のロックダウンの影響で、日本郵便が中国宛ての小包郵便物とEMSの取り扱いを4月22日に停止して以降、何とか荷物を送りたい人々の問い合わせが急増した。
コールセンターを統括する許儷珏さんによると、通常は1日120~150件の問い合わせが、EMS停止後は350件に増えた。1件あたりの通話時間も3倍以上に伸びている。
「お客様の第一声が『中国向けは今送れますか?』『何日くらいかかりますか』。こちらからは地域や商品を確認します。EMSは内容品が20万円以下のものは原則として輸出入申告の必要がないのですが、当社のような貨物事業者は正式通関が必要になります。個人のお客様は通関を意識せずEMSを使っていることが多いので、通関や関税の説明などにも時間がかかっています」(許さん)
20万円以内のものを簡単に送れるEMSは個人の利用が多く、荷物の中身も書類や電気製品、薬と多岐にわたっている。それらを正式通関が必要な一般宅配で送ると、内容物の種類や価格によっては追加の書類や関税が課されたり、「制限物」に該当することもあるという。
中国がこのままゼロコロナ政策にこだわり続ける限り、物流機能が麻痺するリスクは拡大し続けます。SFの東京オフィスも個人消費者の問い合わせや配送依頼が今後も増えると見込み、情報共有体制の強化や消費者向けの通関ガイドの作成を進めています。
また、物流の混乱だけでは収まらず、家電市場まで影響され、混乱がいつ収まるのか見通しは立っていません。