世界各国映画館閉鎖の中、止まらぬ新作映画オンライン配信の流れ




映画のオンライン配信を巡って米ユニバーサル・ピクチャーズと世界最大大手のシネコンチェーンAMCが、激しいバトルを繰り広げています。

ことの発端は新型コロナウイルス感染拡大を受けて世界各国で映画館が閉鎖される中、ユニバーサル・ピクチャーズが先月10日に全米公開予定だったアニメ映画「トローズ・ミュージック☆パワー」を同日からネットで配信したことでした。メジャースタジオとして初めての試みは、購入後48時間視聴で19.99ドルと高額料金ながら自宅待機命令でコンテンツに飢えている人たちが飛びつき、配信から3週間で1億ドルを超える収益を上げる大ヒットとなりました。この結果を受けてユニバーサル・ピクチャーズは、映画館が再開された後も劇場公開とネット配信を同時展開する可能性を示唆。これに対してAMCはさっそく、「全米、欧州、中東全てのAMCの劇場で今後一切ユニバーサル・ピクチャーズ作品を劇場公開しない」とかみついたのです。

米国では3月中旬から閉鎖が続く映画館業界は窮地に立たされており、AMCは夏までに営業が再開できない場合は破綻する可能性も取りざたされています。一方で、新作映画を公開できないスタジオ側も、パラマウント・ピクチャーズやワーナー・ブラザースなどが次々と劇場再開を待たずして新作映画をオンライン配信することを決め、この流れは止められそうにありません。本来は劇場公開からオンライン配信まで90日の期間を空けるというルールが存在しており、今回はあくまでコロナ禍の中での特例だったはずで、今後も継続するのは話が違うというのがAMC側の主張なのです。

もちろん、この状況下で映画館が再開してもパンデミックス前と同じように観客が劇場に戻ってくる保証はなく、配給サイドとしては配給ビジネスモデルを考え直す時期に差し掛かっているとも言えますが、Netflixなど動画配信サービスの台頭で存続の危機に直面している劇場側からするとユニバーサルの発言は看過できないことだったのでしょう。業界2位のリーガル・シネマズもAMCに同調しており、コロナ終息後の映画ビジネスの在り方が大きく変わってくるかもしれません。

ユニバーサル・ピクチャーズはすでに大ヒットシリーズ「ワイルド・スピード」最新作の公開を1年間延期していますが、このままでは同シリーズを劇場で見られなくなるだけでなく、来夏公開予定の「ジュラシック・ワールド」や「ミニオンズ」の最新作、「SING/シング」続編など人気作の劇場公開などにも影響が及ぶことになりそうです。

米国では半数以上の州で自宅待機命令が1日から段階的に緩和され、テキサス州では休業していた映画館の一部が1度に入館できる観客を25%まで減らして客同士が隣合わせにならないなどの感染防止策を設けて営業を再開しましたが、多くの映画館が従業員と観客の安全を確保できないなどとして再開を見合わせています。いつ再開できるか目処が立たず、再開後も様々な感染防止策が強いられるため、映画館の在り方も大きく変化することは避けられないでしょう。これからはオンラインで映画を見ることが当たり前の世の中になっていくのか、ポストコロナ時代の映画界の在り方に注目が集まっています。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200505-25050223-nksports-ent

GNJ
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コロナ禍の中、自宅での自粛行動が求められる今。オンライン配信の需要は目まぐるしい物であることでは間違いなく、どの職種であれ争うのではなく、寄り添って解決していけることを願いたい。

ネットの意見

家族が一緒に新作が観られて20ドルなら、むしろ安い。
一館巨大スクリーンからシネコンという構造変化があったように、新作封切がオンライン配信という構造変化が起きても不思議ではない。
今は仕方がないでしょうね。
多少配信しても、映画館で見るのが好きな人はある一定数いると思います。
好きな時に好きな場所で新作映画が配信で手軽に見られるのは良いと思う。
また映画館で上映するより配信の方が利益が上がりそうな作品は配信のみで映画館での上映はなくなるかもしれない。
映画を観る側からしたら家で観るか、映画館で観るか選択肢があって良いと思います。
映画に限らず、新たなツールや、環境が現れると、新たなサービス形態が現れてきます。
幼児がいる家庭ではレンタルになるまで我慢ですが、ネット配信されるなら家でゆっくり観れるのでとても助かります。
既存の業態は、自己を守りたいことはわかりますが、既存の業態+新規の業態で、パイが広がることが望ましいのですが
一時期、DVDとか、の普及開始の頃、「映画館は廃れるのでは?!」と騒がれました。
でも映画館は、そこそこ残っています。
やはり、大きな会場で、大画面、大音量、そして、大切な人との一緒の時間の確保、等、メリットは残っていると思います。
やっぱり家で見るのと
映画館で見るのは違うからなぁ。
音響も含めてだけど。




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